セブンシスターズ 映画 感想 未来予想図

 映画「セブンシスターズ

80点

 

【映画info】

公開:2017年

興行収入:$19,770,856 

原題:What Happened to Monday(月曜に何が起こった)

監督:トミー・ウィルコラ(Wikipedia)

時間:123分

主演:マンデー~サンデー(7人)役 ノオミ・ラパス(Wikipedia)

 

【あらすじ】

人口が増えすぎた事で食糧問題に瀕してる未来の世界、保全生物学ニコレット・ケイマンが提唱した「人口増加を止める為に子供は1人しか産んではいけない」という「児童分配法」を施行。2人目以降は冷凍し食糧問題が解決した未来の世界で解凍する制度を敷いている。

そんな中7つ子が産まれ妊婦は死亡。法律通りであれば最初に生まれた子以外の6人は冷凍。

助産師に「口は硬いか?」と聞く7つ子の祖父。

祖父は7つ子をどうするのか、7つ子が辿る運命とは。

 
【感想】

・未来予想図、社会問題

・展開が読めないミステリー

・切ない姉妹たちの選択


この映画の世界で起きている人口増加による食糧問題は現代にも通じるテーマであるため、映画の世界が未来予想図に見えました。

 

政府が決定した「人口増加を止める為に子供は1人しか産んではいけない。2人目以降は冷凍し食糧問題が解決した未来の世界で解凍する制度」がとてもリアルで、中絶や生後の殺人など倫理的問題を考慮した場合に実世界で人口爆発を止める唯一の方法では?とも思えてしまう。

 

ただし、個人的にはAIやロボット技術の発展により食料生産能力が格段に向上することで食糧問題は解決できないか?と思います。

そしてこの映画の未来予想図とは異なった明るい未来が来ることを願うばかりですね。

 

しかし、人口増加に伴う環境問題は簡単には解決策はうかばずかなり根深い問題だと感じます。

 

さて、映画の話に戻ります!


娘が出産で亡くなってしまい7つ子を残された祖父の選択も動機や行動がとてもリアルで最後までのめり込んで観れました。

オチが分からないミステリー、社会問題を絡めた映画でとてもおすすめの映画です。

 
以下、ネタバレを含みます。

 
祖父が選択した「7人に対して、産まれた順からマンデー〜サンデーまで名前を付けそれぞれの曜日に7人共通の人物カレンとして外に出て、その他の6人は自宅にいる」というそれぞれに人生を与えつつも誰も冷凍させない奇抜で大胆だが孫への愛情と妙なリアリティのある方法。

 

物語は成人になった7人に移り、"幼少期にどのようにして祖父が7人での生き残り方を伝授"、"外に出た人は帰宅後に一日に見聞きした事を自宅にいた6人に伝える"、"一人の体に傷など特徴ができたら残りの6人にも与える"などどのように成人まで生き抜いてきたかの描写が映る。

 

ある日、幼い子供のフライデーが家を抜け出して大怪我をして指を失う。

帰宅後に祖父は長女のマンデーから順番に同じ指を切り落とす。

7人の運命が同じである事が痛烈な事例で再確認される。

 

だが、ある日突如マンデーが帰宅せず、不安になる6人。

翌日以降にチューズデイ、ウェンズデイがマンデーの消息を探る。

 

各街のゲートの検問所で警備をしているエイドリアン(男)にものすごく親しみのある対応をされ不思議に思うが、終盤になりその理由が明らかになりました。

 

マンデーが消息を絶った後、マンデーの消息を探りながら児童分配局に命を狙われる6人。

そして次々に殺される姉妹たち。

 

途中の殺される順番や内容は割愛しますが

残された6人の姉妹愛に感動しました。

 

以下超ネタバレです。

 

マンデーは故意に消息を絶っていました。

理由は検問所警備員のエイドリアンとの間に双子の子供ができたから。

また、マンデーは長女なので法律通りであれば人生が1/7ではなく1一人分の人生を歩めていたという気持ちを7人の中で唯一正当性をもって言えるので、何故私が1/7の人生しか歩めないのか納得いかなくなることも理解できます。

 

最終的には児童分配局を推進している政府長官ケイマン(児童分配法提唱者)が銀行員のカレン(マンデー)に資金提供を受ける見返りマンデーの人生、双子の子供の人生を補償する取引があったことが暴露される。

 

また、冷凍されていた子供達は実は焼却されていたことが分かり

ケイマンは失脚して児童分配法が廃止されて映画は終わる。

 

その後の世界は描かれておらず、人口増加問題がどのように解決されるか?は謎のまま。

現実世界への問題提起を残した形で、見終わった後になんともいえない気持ちになりました。

 

ミステリー映画としても、社会派映画としてもかなりおすすめの映画です。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。